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正文

沈思黙考

(2007-10-03 23:20:38) 下一個


両手があんまり彼の頬に觸れたがるので

頭は困惑した

両手はどうしても觸れたくて

手に手をとって逃げ出した

両足があんまり彼の元へ行きたがるので

頭は苛立った

両足はどうしても行きたくて

砂煙たてて駆けて行った

腹の蟲があんまりぐうぐう文句を言うので

頭はうるさいと怒鳴った

腹はぺこぺこの腹を抱え

空腹を満たす旅に出た

後に殘ったのは頭がひとつ

見上げれば夕焼けの空

山の端が濃紺に縁取られていく

耳を澄ませば蟲の音

夜の帳が下り始める

冷たい夜露が頬を伝う

頭は無上の喜びを感じ

そっとまぶたを閉じた

          
                                                               (続く)

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