大きな詐欺師と小さな詐欺師
(2011-02-17 04:19:50)
下一個
攜帯をiPhoneに替えるために、ソフトバンクの代理店を訪れた。
ソフトバンクの代理店とは、以前、喧嘩腰のやり取りをした苦い経験があるので、今度こそ負けるもんか、と思った。
前の時は、攜帯の契約形態があんなに複雑で理解しにくいものだとは全然知らず、軽い気持ちで出向いたのがいけなかった。知識も心構えもなかった。今回は、機種はiPhoneと決めているし、事前に既にiPhoneを使っている人から情報も仕入れた。契約するプランも決めた。準備萬端、絶対に相手のいいなりにはならないぞ。
若い女の子が、長いまつげをぱちぱちさせながら、にこやかに澱みのない説明をする。この笑顔が曲者だ。案の定、店員は従量製でなく、定額製のプランを勧めて來た。
「自動更新とかで、知らないうちにネットに接続してて、結構使っちゃうんですよ。先日も従量製にしたお客様が來て、すぐに4000円超えちゃうって言ってらして。」
「えっと、でも、ネット接続のスイッチを切って置けばいいんですよね?」
「そうしたら、攜帯も切れちゃいますよ。」
(あ、そっか。電話の電源はいつも入れて置かなくっちゃ意味ないか…。)
「フラット(定額製)の方が月々の割引がお得です。プランは途中で切り替えられますけど、でも、割引は最初の契約のままですので、途中からは適用されません。」
揺らぐ自信。ちょっと不安になる。本當に従量製で大丈夫なんだろうか?
店員が古い攜帯のデータのバックアップを取っている間に、貰った資料をざっと読む。
(あ、お店とか街中でWi-Fi(無線ラン)がただで使えるんだ!これは便利だ!うれしい。)
「あの、このソフトバンクWi-Fiスポットって、無料なんですね?」
「それはフラット(定額製)の方のみですから、お客様は使えません。」
(え…?、私のプランでは使えないってこと?そうなの?)
(彼女はまるであなたには関係ないとばかりに、はっきりきっぱりとそう言ったので、私はさらに突っ込んで聞く勇気を失った。)
不安に襲われながらも、とにもかくにも、従量製で契約することに決めた。
「本當でしたら、ここでいろいろ設定してさしあげるんですけど、設定をするにも、ネット接続して料金がかかってしまうので、ここでは何もしないでそのままお渡しいたします。ご自分でパソコンから設定してください。」
(むむむ、なんか嫌味っぽく聞こえるのは気のせい?)
最後に、彼女は
「金額がすぐにいっちゃうので、本當に、くれぐれも気をつけてくださいね。」
と念を押し、更に私を不安に陥れた。
さてさて、家に帰って、店員の話の內容を改めて調べてみた。
まずは、店員はデータ通信のスイッチを切ってしまうと攜帯の電源も切ってしまうことになると言っていた。しかし、実は、通話(電話)の電源スイッチと、データ通信(ネット接続)のスイッチは別にある。
私は外出先でネット接続する必要がほとんどないので、データ通信のスイッチは基本的に切っておけばいい。自宅にいる時は、無線ランで自宅のパソコンと繋ぐ。そうすればメールの確認もネット接続も、自宅のパソコンの通信費でまかなえる。これで、たぶんパケット代は下限額を超えることがないと思う。(まだ1ヶ月経ってないので確認はしていないけれど。)
もうひとつは、Wi-Fiスポットの件。本當に私のプランではWi-Fiスポットが無料で使えないんだろうか?
ソフトバンクのホームページを見てみると、3月末までは誰でも無料で使えると書いてある。それに、3月末までに「ソフトバンクWi-Fiスポット(i)」というのに加入すると、4月からも無料で使えるらしい。え~!それなら、早くそれに加入しなくっちゃと、と思って、ネットから加入の手続きを試みた。すると、申込みのクリックを押して初めて、契約プランをフラット(定額製)に変更する必要がある、というメッセージが現れた。
つまり店員の言うことは正しかったのだが、3月末までは誰でも無料で使えるという情報は教えてくれなかったなぁ。
そういえば、昨年上海に行った時、タクシー運転手にあの手この手で料金をごまかされたことを思い出した。なんだかんだと策を弄してなるべく多くの金を顧客から巻き上げようとするやり方は、大企業であろうと、ケチなタクシー運転手であろうとそう変わりがないのかもしれない。
iPhone自體は、楽しい。なにしろ、使い心地がいい。操作性とか機能性がいいというのともちょっと違う。上手く説明できないけど、使っていてとにかく気持ちがいいのだ。ソフトバンクのセールス方法には釈然としないものがあるけれど、iPhoneを獨占した手腕には感心せざるを得ない。
もっとも、攜帯本體と通信會社を別々に選べないという縛りが、この業界そのものの真っ當でなさ、を表しているように思うのだけれども。