思いついて、童謡『てるてる坊主』の歌詞を中國語に訳してみました。中國語から日本語への訳ならまだしも、日本語から中國語へは自力では無理なので、友人の助けを借りて訳しました。
てるてる坊主 てる坊主
あした天気にしておくれ
いつかの夢の空のよに
晴れたら金の鈴あげよ
てるてる坊主 てる坊主
あした天気にしておくれ
私の願いを聞いたなら
あまいお酒をたんと飲ましょ
てるてる坊主 てる坊主
あした天気にしておくれ
それでも曇って泣いてたら
そなたの首をチョンと切るぞ
晴天娃娃 晴天娃娃
明天給我個大晴天吧
要是能讓我看到那個夢裏的晴空
我就給你個金鈴鐺
晴天娃娃 晴天娃娃
明天給我個大晴天吧
要是能滿足我的願望
我就給你喝甘美的酒
晴天娃娃 晴天娃娃
明天給我個大晴天吧
要是明天還下雨
我就剪掉你的頭
最後の一行「そなたの首をチョンと切るぞ」ですが、このユーモラスな感じを中國語に訳すのは難しいみたいです。中國語だと、ただ「お前の首を切るぞ」としか言えない。
ひとつに、「チョンと切る」の「チョン」という音に軽妙さとかわいらしさが表されていて、生々しさが削がれています。それからもうひとつおもしろいのは、「そなた」という二人稱の使い方です。「お前」だとなんだかやっぱり生々しいし、居丈高な感じがします。いかにも上から目線という感じで。でも「そなた」と呼びかけることによっていったん相手を持ち上げておいて、「首を切るぞ」と脅す。このギャップがユーモラスな感じを引き出しているのではないかと思います。
そう考えると、一番二番の歌詞ともよく呼応します。金の鈴をあげるからね、おいしいお酒も飲ませてあげるからね、と言ったり、「そなた」と呼びかけたり、貓なで聲でご機嫌を取りつつ、最後に「首をちょん切るぞ」と脅す。実社會でしばしば使われていそうなテクニックです。