2008 (142)
2009 (130)
2010 (94)
2011 (140)
日本で中國人と買物に行くと、日本人の中國に対するイメージが十數年前と比べて大きく変化していることを身をもって感じる。以前はよそよそしかった店員の態度が今は、中國人と見ると“歓迎光臨”とばかりに寄ってきて、日本人と同じく或いはそれ以上に上客扱いされる。
世界的不況によって先進諸國の市場が急激に冷え込み、世界の工場としての中國の將來も危ぶまれる中、中國にとって內需の拡大こそが生き殘りのための打開策だ。
しかし現在中國で消費活動を擔っているのは都市部の人間だけで、その都市部の市場は既に飽和狀態である。ならば、人口の半分以上を占めるいまだ消費活動に參加していない數億の農民を消費社會に組み入れることが國內消費拡大のキーポイントとなる。
それには農民の自給自足的なライフスタイルを根本から変えなければならない。中國では農村の戸籍と都市の戸籍が厳しく分けられ、農民は、収入の格差に甘んじる一方で、都市の住民が受けている様々な社會的保障や自由を享受することもできない。農村に縛り付けられ病気や老後の保障もなく、農民にとっての命ともいえる土地さえ、いつ國家に取り上げられるともわからない借り物であるならば、積極的な消費活動は決して促進されない。
収入の格差の是正、資産の確保(土地の私有化)、社會福祉の充実などによって、農民の生活に餘裕が生まれ將來への安心が保障されるようになれば、農民の消費能力は飛躍的に伸びるだろう。
內需拡大のための農民への具體的な政策がもしも実行されるならば、中國は本質的な変化を遂げる。果たして今年、その変化は訪れるだろうか。
春節快樂!
萬事如意!
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參考文獻 『中國の消費市場と農民問題』晨光(神田外語大學)