2008 (142)
2009 (130)
2010 (94)
2011 (140)
ある日 カナリヤが告げた
森の樫の木の下に
本當のことが埋まっているよ、と
そこで私はシャベルを擔いで
意気揚々と
本當のことを掘り起こしにでかけた
落ち葉の積もる柔らかな土を
さくさく掘ると
死體が埋まっていた
合點した私は
それに再び土をかぶせ
しっかりと隠す
死體は暖かな土の布団にくるまれて
刻々と朽ちていく
それはやがて
土となり、
幹をつたい、
葉となり、
枝となるだろう
森の樫の木の下で
私が朽ちていく
-------
梶井基次郎は、桜の樹の下に死體が埋まっていると言ったけれど。