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2011 (140)
私はインドにいる。古ぼけた外車(乘用車)が線路の上を走っていて、その後ろに無蓋の客車が続いている。私たち4,5人の仲間はその先頭の外車のボンネットや屋根の上に座っている。始め、車がひっくりかえりはしないかと心配していたが、高い青空の下、車(列車?)は山あいの線路を順調に進んでいく。ボンネットの上の私の眼前には、緑の木々が広がり、澄み渡った空気が胸に染みこむ。とてもいい気分だ。
途中、少し広くなった場所で列車が止まった。休憩を取るらしい。後ろの客車から中世のイギリスからやってきたような白いドレスを著て白い帽子をかぶった少女が2人、おもちゃのような小さな馬車を伴って線路脇にふわっと下りてきた。彼女たちは私たちのグループにいた子供と仲睦まじく何事か話している。
ふと気が付くと、止まった車のちょうどその上に、大きな木の梢が覆いかぶさっている。木には真赤に熟した小さな実がたわわに実っていた。私は車の上に乘ったまま手を伸ばし枝を折り、赤い実を房ごと頬張った。とても甘い実だった。
2008.5.11