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初めての夢を見た。
古ぼけたオフィスビルの中、初めての職場で、オフィスの扉をいったん開けた後、私はすぐに又そこを出て、パウダールーム(化粧室)へ行った。広くてさっぱりした部屋。床も壁もむき出しのコンクリートになっている。部屋には人が男女ともに3、4人いる。
私は眠くて眠くて仕方がない。そこでパジャマに著替えると、體がふわっと浮いて床から1メートルくらい上の空中に橫たわった。私は仰向けで宙に橫たわったままうとうととする。初めての職場なのに、仕事時間中なのに、眠ってしまうことに後ろめたさを感じながら、どうしても眠気には勝てない。
私の隣に同じ職場の年上の男性が立っている。彼は私と特別な関係にあるのだけれども、彼には“主”となる間柄の相手がいて、私との関係は“従”であることを私は知っている。けれど、そこで彼が話した內容によって、私が彼にとって特別な存在であることを確認し、私は安心感を持つ。
時々、體が足の方から更にふわっと上がる。自分の意思で調節できるみたいだ。とてもいい気分だ。眠りこんでしまわない眠たさの心地よさに浸る。
そろそろ起きなければ、と思う。私は床に足を降ろし、ワンピースに著替え、パウダールームを出た。
以前、空を飛ぶ夢は、よく見た。宙高く遊泳する夢だ。家々の屋根を見下ろすようにして空を泳いだり、ビルの穀間をかいくぐったりした。けれど、仰向けになって床からすぐ上の宙に橫たわる夢は、初めて。