2008 (142)
2009 (130)
2010 (94)
2011 (140)
議論を交わす、ということは、必ずしも議論によってより正しい內容を導くという目的のために行われるわけではないということに、今更ながら気付く。
議論は時に、権力を得るために、如何により大きな聲でより多くの主張をするかの戦いとなる。
ある立場の者の論理と別の立場の者の論理が、議論によって融合するということは、ほとんどあり得ないのではないか。なぜなら、ある者の主張は、その者の文化・歴史・環境など様々な背景によって(本人にとっては)合理的かつ必然的に構築されている。相手にとってもそれは同じことで、各々が各々の広大な背景を背負って、各々に必然と思われる主張をしているのだから、勝負の行方はしばしば、ある特定の議題の事柄に関する是非を超えて、主張する者たちの立場と立場の戦いという様相を示す。