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素敵な夢を見た。
北海道から靜岡まで帰るのに、ある店の店員がバイクで送ってくれるという。大型のバイクに、運転手の若い男性と、私と友人の女性、それからやせっぽちの小さな女の子、計4 人がまたがる。途中、耕したばかりの黑々とした柔らかな大地が広がる中を走っていると、一番後ろに座っていた私がおんぶ紐で背負っていた貓が滑り落ちた。まるで馬場のぼるの絵本、『11ぴきのねこ』に出てくるような貓が「あああ~」と大きな口をあけて、背中から滑り落ちた。
私たちはバイクを止めて、貓を拾った。店員が右手に広がる畑に降りて、何か掘り出した。両手に乘せて私たちに見せる。手の中にあったのは、數個の、ころころと丸く白く、つややかなじゃがいもだった。
またしばらく走ると、今度は左手の大地に大きな穴が掘ってある。畑の土と同じように黑々として柔らかな土が、掘った穴の入り口に積んである。私たちは好奇心に駆られて、穴の中に降りていく。足元も壁も柔らかい土でできている。雅楽の調べが流れる。お寺の金堂にあるようなきらきらした飾りが、天井から吊り下がって、ゆらゆらと揺れている。この穴は參拝用の穴なのかもしれない。この奧には穴を掘った人物がいるようだ。私は、そこにはおそらく観音菩薩がいるのだろうと、思った。
土が、豊饒の大地を想起させるとてもよい土で、柔らかくざくざく掘ってあるのに、穴がくずれる恐れなど少しも感じず、なんだか心が豊かになるような気持ちになった。