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2010 (94)
2011 (140)
夢の中に、詩人の萩原朔太郎が出てきた。萩原朔太郎の詩が特に好きというわけでもなく、詩集を読んだこともないのに、なぜだろう。
學校の広い校舎で大勢の學生が廊下や階段を行き交う中、私は萩原朔太郎の背中を追いかけて走る。人ごみを縫って彼の背中を追いかけるのだが、ちっとも追いつかない。始めは黙って追いかけるのだが、そのうちに聲を上げる。
「はぎわらさ~ん、はぎわらさ~ん。」
と叫ぶが、彼は振り向かない。途中、階段を封鎖していた柵をようやく乘り越えたりしながら、校舎をひとまわりして、とうとう1階のホールで姿を見失った。私は周囲の學生たちに、今、ここに萩原さんがいなかったか、と聞くが、誰もが首を振るばかりだった。
私は突然眩暈がして倒れた。意識が徐々に失われていく。周りを學生たちが取り囲む。薄れていく意識の中で、誰かが助け起こしてくれるのを期待するが、皆ただ黙って私を見下ろしているだけである。突然わけのわからない怒りが込み上げてきて、私はすぐ近くにいた男の服の裾を摑み引きずり倒した。怒りは暴力となって、その男をむちゃくちゃに引きずりまわし、服を引き剝がす。
目が覚めたとき、まだ體內に怒りと暴力の感情のかけらが殘っているような気がした。たまに夢の中で喧嘩をしたり大聲で叫ぶことがあるけれど、それで、晝間は気付かない抑製された感情が発散されているのかもしれない。