夕暮れ時、甥っ子、姪っ子、白い犬一匹、私で、河原に散歩に出かけた。甥と姪ともに小學2年生である。川の淺瀬にサンダル履きの足でじゃぶじゃぶと、ひとしきり遊んだ後の帰り道、甥っ子は太い流木を2本、姪っ子は細長い木の枝を數本、戦利品として抱えながら、意気揚々と歩く。私と犬は前を歩く。
以下、姪=G(Girl) 甥=B(Boy)。
G「ねえ、戦爭って今からでも起こるのかなあ?」
私「そうだね、そういう可能性もあるかもね。」
G「戦爭って、人がやるんでしょう?どうして戦爭をやるのかなあ?」
B「どの國が強いか、ってことだよ。」--(なかなか的を得た見解だ。)
G「原子爆弾って知ってる?」
B「知ってるよ。広島と長崎に落ちたんでしょ。」
G「テレビで見たよ。子供がね、原子爆弾を踏んで、両足がなくなっちゃうの。」
B「原子爆弾を踏むわけないだろう。」
G「あ、違った、違った、なんていうんだっけ?」
私「地雷。」
G「そうそう、それ。テレビでやってたよ。子供がそれを踏んで爆発して、足がないの。」
G「地球溫暖化の原因っていくつあると思う?」
B「七つくらい?」--(この甥っ子は自分の知らないことでも、絶対知らないとは言わないのである。)
G「一つはね、車のガスなんだよ。それから、木をきっちゃいけない。木は二酸化炭素を吸うから。」
G「これは、落ちたのを拾ったんだから、大丈夫だよね。切ったんじゃなくて、落ちてたのを拾ったんだから。」
B「木の種を植えればいいんじゃない?育てればいい。」
G「切られた木は、ちゃんと使ってあげたほうがいいよね。利用したほうがいい。」
ああ、愛すべき子供たちよ。日本の未來は貴方たちが擔うのだ。
甥っ子が両肩に擔いできた流木を持ってみたら、ずっしりと重かった。あの長い道のりを、休み休みしながらも、よく最後まで捨てずに持って帰ったものだと、感心した。さすが男の子だ。いつもは食の細い彼が、その後の夕食はご飯を何杯もおかわりし、皆に驚かれていた。
甥っ子の拾ってきた流木
悄悄話を送りましたので、見て下さい。