鼻がでて、目がかゆくなりやたらとくしゃみがでる。熱はでないので會社は休めないが、頭がぼうっとしてしまうあの厄介な花粉症に悩まされているのは日本人だけではない。イギリスでは”ヘイ・フィーバー”という。
Hayは辭書には幹し草とあるが、花粉症と言えばどちらかと言うと庭の芝刈りをしたときの切れ端によるアレルギーという感じがする。庭の芝はまめに切らないといけないが、冬は芝の延びも悪いので、そんなにこ頻繁に切らなくてもよい。ところが、春になると、ガレージにしまっておいた芝刈り機を持ち出して、徐々に延びはじめてきた芝を切ることになる。ちょうどそのころ花粉症がはやりはじめる。
杉、ヒノキといった木が日本のように多く植えられているとは思わないので、何か違う種類の植物が原因だと思う。もちろん私は醫者でも何でもないので、本當のところは知らない。確かなのは、イギリスに行ったはじめの春は花粉の種類が違うのか、まったく花粉症に煩わされることがなかったのが、次の年からは、また花粉症がでるようになった事だ。イギリスの花粉にも反応してしまうようになったのだと勝手に解釈している。
花粉症になると、まあ、いろいろあると思うが、直接薬局で薬を買ったり、病院(GP)に行って処方せんを書いてもらったりする。GPでは花粉症と言うと、はじめの一回は一応診察してくれるが、次回からは、かかりつけの醫者のアポイントを取らなくても受け付けに申し出るだけで処方せんを渡してくれるようになる。
薬局で売っている薬には、これも何種類かあるようだが、私が使っていた薬は効き目が弱いものと強いものがあった。おんなじブランドのものだが、強いほうには”Extra strong”とか、”Forte”とかそういった表示がされており、症狀が軽いうちは、前者の錠剤をのむ。症狀に応じて錠剤の數が増え、やがて後者の登場となる。確か、3錠か4錠分の効き目が、強いほうの1錠分といった具合であった。強いほうの薬には、副作用の懸念があるのか、必ず”以前にこの薬を飲んだことがあるか”と聞かれる。答えはもちろん”はい”だ。
日本に帰ったとき、耳鼻科で出してもらった薬で、「これ以上きつい薬はない」と渡された錠剤が、たまたまそのブランドのその薬であったのには懐かしい驚きがあった。