福島第1原発事故を受け、文部科學省が県単位で公表を続ける土壌に蓄積された 放射性セシウムの汚染マップ。國內で人口トップ2の東京都、神奈川県分が6日、 初めて発表された。都內は葛飾區柴又などで高い數値が出たほか、多摩地區では チェルノブイリ原発事故で「汚染地域」とされる基準を上回るなど、深刻な事態が浮き彫りとなった。
調査によると、セシウム134と137の合計蓄積量は、東京都の大半は土壌1平方メートルあたり1萬ベクレル以下だった。しかし、奧多摩町など多摩地區で10萬~30萬ベクレル。23區內では葛飾區柴又、東金町、水元公園や江戸川區北小岩の一部で3萬~6萬ベクレルと、周囲より高い地域があった。
神奈川県でもほとんどの地域は1萬ベクレル以下ながら、山北町など県西部の一部で6萬~10萬ベクレルが検出された。
汚染マップ上には2本の帯がみてとれる。福島から栃木、群馬に流れたものと、茨城から千葉北西部を経て都內に至る2本だ。文科省は、風の影響で原発から北西方向に広がった放射性物質が、福島市西部の山間部で南西に方向を変え、群馬県西部まで汚染が広がったと分析。原発の南方では茨城県北部で風がいったん海側に向きを変えた後、再び陸地側に方向を変え、葛飾區まで到達したとみている。
セシウムは體內に入ると筋肉などにたまり、がんの原因になる。
半減期は、セシウム134が2年、137が30年。チェルノブイリ原発事故では影響が長期間にわたる137について、3萬7000ベクレル以上が「汚染地域」とされた。
今回の調査で137は葛飾區周辺では1萬~3萬ベクレルだったものの、奧多摩町北部の山間部では6萬~10萬ベクレルと、「汚染地域」基準を上回っている。
ただ、強製避難の基準となる55萬ベクレルは大幅に下回った。
結果を受け、都保健局では「健康麵において直ちに影響を與えるようなレベルではないが、汚染マップは航空モニタリングでの結果なので、(地上の)地點ごとの測定をきちんと進めていく」としている。