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ラドン溫泉とは
ラドンとはいかなるものか
●ラドンとはラジウム【天然】元素より放出される、ほとんど化合物をつくらない安定希活性の気體であります（詳細は下表のとおり）。
元素名
ラドン【radon】 ※ラジウムから生まれる気體という意味で命名。
原子量
元素記號
原子番號
(222)
（原子番號＝86，原子量＝(222), 元素記號＝Rn）
同位體と
その組成
※天然放射性核種として次のようなものがある。
219
Rn＝α放射體、半減期：3.96秒・・・・・アクチノン
220
Rn＝α放射體、半減期：55.6秒・・・・・トロン
222
Rn＝α放射體、半減期：3.8235日・・・ラドン
三 態
●沸點＝-61.8℃
●融點＝-71℃
臨界溫度
●104℃
臨界圧力
●62.0 atm
説 明
20種類の同位體が知られているが、いずれも放射性。半減期がもっとも長いのは質量數222のものである。狹義には、質量數222のものをラドンという。
これは周期表の18族に屬す。 希ガス の一つで、ラジウムエマネーションともいう。単原子分子の気體。
化學的に不活性であるが、 フッ素 との化合物が知られている。水に微溶、エーテル・アルコールなどの有機溶媒に易溶。
天然水（溫泉水などを含む）や空気中には微妙に含まれている。
ラジウム 化合物と接觸している空気が放射性になることは キュリー夫人 も気がついていたが、1900年ドルンがラジウム崩壊生成物の一つは気體であることを示した。
これは初めラジウムエマーションと呼ばれていたが、のちにラドンと命名された。
ラドン入浴の人體におよぼす特性
●ラドンは自然界に存在する物質中で、もっとも強力なイオン化作用〈物質に突き當たるとその物質にイオンを與える作用、別名電離作用〉を有するものであります。
ラドンの適當量が溫浴中に人體の呼吸により肺を介して直接血液中に、また皮膚を通して組織內に吸収されると、その強力なイオン化作用が人體の血液および組織內に働いて血液內の老廃物質、すなわち血流を悪くしたり血管を早く老化させる中性脂肪、コレステロール、過剰な糖分等の生理的代謝作用が促進されるため、血液が浄化されると同時に組織內に停滯している、凝りや痛みの原因となっている老廃物の化學反応が促進され、すみやかに症狀が消退してゆくとともに、血液や組織內に熱エネルギーが発生しますので、體溫上昇の生理調整が行なわれる結果として、入浴開始後十分位で急激な発汗作用が起こり、快い溫感を覚えます。
ラドンの特性２
●人體の神経組織に対し、特殊な鎮靜作用を有しています。
日本溫泉醫學研究所はこの特性に注目し、過去１５年間、自律神経のバランスを検査する手法を用いて、入浴後の臨床検査を多數の入浴者について行ないました結果、たった一回の入浴によって驚くほどの神経調整が行なわれる事実を発見しました。ラドンが人體の自律神経係に対し、そのイオン化作用により神経係の電子配列に変化をおよぼす特殊作用のため、人體の神経係疾病の中でも、次の疾病に特に有効であることが証明されています。
・自律神経失調症
・更年期障害
・めまいや耳なりを伴うメニエル氏病
・冷え症
・神経係頻尿症
・腹部腸管癒著症
・気管支性喘息
・頭部外傷性神経症
・精神身體疲労
・多発性神経繊維腫
ラドン溫泉はなぜ早く顕著に効果が現れるか
●長年の研究により、ラドンの溫浴吸入によって皮膚または呼吸より體內に進入することが実証されました。その結果、自律神経を調整、収縮した血管の拡張、気管支や腸などの平髄蔵器の痙攣緩解、あるいは蠕動促進、ホルモンの分泌亢進、消炎、抗アレルギーといったさまざまな動きがあらわれてくる仕組みが解明されたのです。
ラドン治療のロシアと日本の現況
●ロシアでは國家機関によって數十年にわたって研究と実験が行なわれ、現在二百ヶ所のラドン研究所から高濃度のラドンを各地域に配布し、ラドン泉は千五百以上造られていることが報告されています。
日本においては１５年間日本溫泉醫學研究所本部において開発を進め、貴重な臨床実験から特定の地にラドンセンターを設置しました。病魔に侵され苦悩している人々を救済したいという崇高な理念で、定められた地域において開発完成。その効果の高さは顕著であり、治療を受けた方々で回復または快方に向った方が、十數萬人に達しています。
ラジウム醫學の進歩
ラジウムが神秘的で不思議な性質をもち、いかに貴重な薬かについては概略述べた通りでありますが、今までのラジウム療法は、大量に用いてその組織破壊性を利用し、癌、肉腫などの最難疾患のみに行なわれ、ごく少數の大病院の奧深く金庫內に厳重に保管され、わずかに特殊な富豪階級にまれに利用されるのみで、一般大衆はラジウムの恩恵にあずかることができませんでした。
しかしながらラジウムの醫學的研究の進歩発達は誠にめざましいもので、歐米の治療界の近頃の傾向では、通常のラジウムの緩放射療法が盛んに提唱されております。
醫學者の臨床実験によって適応疾患の範囲も拡大され、ほとんど各科にわたって良い治療成績をあげています。
世界的著名専門大家による放射線療法の臨床実験類別
○結核性諸疾患：ケイド博士、ノイセル博士、トマネック博士など。
○気管支炎、肺病、喘息：ストラーセル博士、ブリング博士など。
○胃腸病諸症：チンメル博士、ゴッリーブ博士など。
○神経癌諸症：フェルステンベルグ博士、へルナウ博士など。
○リューマチ関節炎：コールラウシュ博士、ストラスセ博士、キュセラ博士など。
○神経麻痺、知覚異常：ボンギォパニー博士、ノイマン博士など。
○脳神経衰弱、習慣性頭痛、偏頭痛など：フェルステンベルグ博士.ゾンメル博士など。
○動脈硬化症、血圧亢進および血管諸症：ビクデレー博士、ステルン博士など。
○脊髄症および骨膜炎：ストラーセル博士、チンノル博士など。
○慢性的血液疾患、衰弱、淋巴管および淋巴液の疾患：キュセラ博士、エーレ博士、ホッホジンゲル博士など。
○膀胱炎、摂護腺炎など：エルツビショッフ博士、ハウブト博士など。
○心臓病：ケメン博士、ゾンメル博士など。
○腳腺、甲狀腺、扁桃腺の肥大および腫脹など：ホルツクネヒト博士、ホルラード博士など。
○耳鼻、咽喉の疾患：クラウス博士,ウィリアム博士、フロイデンタール博士など。
○皮膚病および粘膜の侵食性潰瘍：アポランド博士、ゴルトベック博士など。
○肛門病：ウィックハイム博士、デクレー博士など。
○眼疾：アーダリール博士,ハンケ博士など。
ラドン溫泉の醫學的効果
放射能泉とは（他の溫泉成分の如何にかかわらず）放射性の元素がその決定的な醫療効果を示すもので、A'－ラジウム係では水１リットル中（源泉において）ラジウムの量１億分の１㎎（１０のマイナス８乗㎎）以上を含有するもの。Ｂ－トリューム係では水１リットル中（源泉において）ラドンあるいはトロンの量１００億分の１キュリー（１０のマイナス１０乗キュリー）、単位において２０（約５．５マッへ）以上を含有するもの。
上記の二者を放射能泉といいます。
従來放射能泉といえばA'－ラジウム係の放射能泉を意味していましたが、最近専門の研究學者により溫泉効果の主體（主因）が、ラドンおよびトロンにあることが究明されるにおよび、わが國の放射能泉のほとんどがＢ－トリューム係に屬し、A'－ラジウム係よりはるかに優れていることが確認されたため、急速に放射能泉の利用が現代物理療法科に重要な役割を果たし、腳光を浴びるに至ったものであります。
すなわち、放射能の醫療効果をあらわす因子であるラドンおよびトロンのこれらの元素群はα線を出して崩壊し、ともに化合物をほとんど作らない安定した元素で、入浴または飲用して容易に皮膚および粘膜から吸収され、腎臓、肝臓等の類脂體に富む各種臓機器官や神経係の組織に作用し、生體の酸化還元機會に親和して自然治療現象を促進せしめるので、病変化あるいは老衰化による各種疾病に対して原因療法が得られるのであります。
これらの醫療目的に供せられるラドンおよびトロンは、ラジウムと異なり、常溫ではガス體で、體內に吸収された元素は數時間內にして、呼吸器を通じて炭酸ガスとともに體外に排泄され、極めて少量が體內に殘存しますが、これらの元素はいずれも半減期が短かく、（ラドンは３．８日、トロンは５５秒）なんら生體に対して有害になることはありません。
資料出所： ラドン開発事業団 日本溫泉醫學研究所
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