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[東京 1日 ロイター] - 2014年4─6月期の実質國內総生産(GDP)は2次速報で、設備投資が下方修正されると民間調査機関の見方はほぼ一致している。法人企業統計での設備投資が前期比で落ち込んだためだ。
在庫増でGDP全體が上方修正されるとの見方もあり、2次速報の予測水準はばらつきが目立つものの、今年度後半の民需は盛り上がりに欠けそうだとの見方が広がってきた。
1日発表の4─6月期法人企業統計では、設備投資の前期比が1.8%減と3四半期ぶりの減少に転じた。これを受けて、民間調査機関ではGDP1次速報値から設備投資は下方修正されると予測している。
ウィンドウズXPのサポート終了に伴うパソコン駆け込み需要の反動減が出たことや、建設?農業機械での廃ガス規製強化前の駆け込み需要の反動減が影響したが、減少幅は一段と大きくなりそうだ。
BNPパリバ証券は、生産空洞化の影響が出ていると分析。「今回の法人企業統計では、製造業の設備投資が1─3月に前期比6.0%と大幅に増加したものの、4─6月にマイナス7.1%と大きく反落している。やはり、國內設備への投資意欲はあまり高まっていないことがうかがわれる」とみている。
また、GDPの民間最終消費支出と動きが近い「消費総合指數」(內閣府公表)も最新の4─6月期のデータでは、前期比マイナス5.2%の大幅な落ち込みとなった。みずほ証券は、2次速報で民間最終消費支出が下方修正されるとみている。
他方、法人企業統計からみて、GDPにおける在庫投資の寄與度が上がることを見込んむ調査機関が目立つ。
ただ、みずほ証券は「消費稅率引き上げ前の駆け込み需要の反動により、在庫が積み上がっている。7─9月期以降も個人消費と輸出の回復が鈍ければ、意図せざる在庫増加が進むだろう」と予測する。 続く...
この結果、GDP2次速報値について、設備投資の下方修正と在庫投資の寄與度上昇をどうみるかで、上方修正と下方修正の見方が混在している。
下方修正を予測する調査機関では、年率7%を超えるマイナス成長に悪化するとみている。上方修正を予測する先でも「在庫投資の上方修正は7─9月期以降の回復ペースを抑製する要因として、むしろ懸念すべきかもしれない」(三菱UFJモルガン?スタンレー証券)との見方もある。
7─9月期は、天候不順の影響や輸出の停滯といった需要に懸念が出ている。さらに人手不足要因や設備投資の海外流出など、供給製約もあるとの見方があり、「今後の景気回復ペースは極めて緩慢なものにとどまる」(BNPパリバ証券)との見通しも一部で浮上している。
<各社の4─6月期GDP2次速報予測>
前期比:%
設備投資 GDP全體 GDP年率
1次速報値 -2.5 -1.7 -6.8
2次速報予測
農林中金総研 -2.6 -1.6 -6.4
三井住友AM -2.6 -1.7 -6.8
みすほ証券 -3.8 -2.0 -7.9
ニッセイ基礎研 -3.6 -1.9 -7.2
BNPパリバ -3.0 -1.8 -7.0
MUMS証券 -3.9 -1.7 -6.6
の略稱です。
MUMS証券は、三菱UFJモルガン?スタンレー証券
(中川泉 編集:田巻一彥)