2005 (265)
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2012 (354)
2013 (600)
「黨?軍?政」総ぐるみ攻勢かける中國に手を貸す日本の研究機関 理研の名も
獨立行政法人「情報通信研究機構(NICT)」は、昨年1月17日に中國科學院上海微係統研究所(SIMIT)との間で研究協力覚書に調印した。相手の了解なしに提案內容を外部に漏らさない機密保持條項が付いている。重點協力項目は超電導、バイオ?エレクトロニクス、テラヘルツ波(光波と電波の中間域にある電磁波)の3つだが、必要に応じて他の情報通信技術分野にも協力を広げる內容だ。
テラヘルツ波はレーザー兵器に利用でき、米軍が大量破壊兵器対応などを目的に技術開発に全力を挙げている。NICTは「SIMITが軍係かどうかは把握していないが、SIMITとの協力は軍事技術には一切関與していない」(広報室)としている。
◆レーザー技術開発
理研は、昨年9月10日に中國科學院上海光學精密機械研究所(SIOM)との間で研究協力覚書を締結した。レーザーおよびその関連技術の開発のために「理研-SIOM連攜研究室」を上海に設置する念の入れようである。
だが、人民解放軍係のニュース?サイト「多維新聞」は昨年9月17日付で「解放軍、反衛星兵器を開発中。高密度レーザービーム大量破壊兵器で対米攻撃」と題する記事を掲載。その中で毛沢東の指示によって、レーザー兵器開発のためにSIOMが創設されたと正體を明かしている。理研は「SIOMとの協力は外為法の安全保障貿易管理規則に従っている」(広報室)と弁明している。
◆米政府は締め出し
中國の諜報(インテリジェンス)部門は政府の國家安全部(省に相當)に屬するが、工作員としての人材は共産主義青年団から供給される。黨指令係統で政府、軍と同列である。
さらに米情報筋によれば、華為技術(ファーウェイ)、中興通訊(ZTE)という中國通信機器大手の2社は、1980年代初めに最高実力者?トウ小平の指示によって生まれた情報通信関連4社の後身だ。
華為技術の発表では、同社の設立は1987年で、人民解放軍工兵部隊に勤務した経歴を持つ現最高経営責任者(CEO)の任正非氏が42歳のときに、中國?深センで創業した「民間會社」だという。だが、交換機中古品の行商から始まり、瞬く間に並み居る世界の通信機器の巨人たちを押しのけた同社には、資金、技術、人材を中心に黨、軍、政府からの大掛かりな支援があると米側はみる。米政府は政府関連の通信機器市場から締め出し、民間にも新規導入しないよう指導している。
黨指令のもとに軍、政府の諜報部門、さらに企業が一體となり、強大で高度な中國のサイバー戦能力。「2013年には米政府所有を含めた世界中の無數のコンピューター?システムが攻撃にさらされたが、その多くが中國政府および軍による」(米國防総省による議會への2014年版「中國に関する軍事?安全保障の進展」報告書)というありさまだ。
米政府は業を煮やし、米連邦大陪審が5月19日、サイバースパイの容疑で、中國軍の「61398部隊」所屬の5人を起訴、顔寫真付きで指名手配した。米原子力大手ウェスチングハウス(WH)、鉄鋼大手USスチールなど企業5社と労働組合が同部隊によるサイバー攻撃にさらされ、米産業の虎の子である原発や、太陽光パネルの重要技術が盜まれた。
華為技術は今年、日本の通信インフラ市場でのシェア拡張を狙って、売り込み攻勢をかけている。同社日本法人幹部は「當社のサイバー?セキュリティー技術の信頼性には定評があります」と胸を張った。ソフトバンク、イー?モバイルの通信網を中心に華為技術は著々と納入実績を伸ばし、日本の大學などの有力研究者たちを深センの本社に招く一方、日本財界にも人脈を広げている。
中國は黨、軍、政府が総ぐるみで日本の情報通信産業と、技術開発の頂點から裾野まで深く入り込み、ごっそり乗っ取ろうとしているように見える。(サイバー問題取材班)