1,睦月 むつき
睦月とは、陰暦で正月のこと。
睦月は、親類知人が互いに往來し、仲睦まじくする月からとする説が有力とされる。
その他、稲の実をはじめて水に浸す月で、「実月(むつき)」が転じたとする説。
元になる月で、「もとつき」が「むつき」に転じたとする説がある。
2,如月 きさらぎ
如月とは、陰暦で二月のこと。
如月は、寒さで著物を更に重ねて著ることから、「著更著(きさらぎ)」とする説が有力とされる。 その他、気候が陽気になる季節で、「気更來(きさらぎ)」「息更來(きさらぎ)」とする説。 草木が生えはじめる月で、「生更木(きさらぎ)」とする説。 草木の芽が張り出す月で、「草木張り月(くさきはりづき)」が転じたとする説がある。 3,彌生 やよい
彌生とは、陰暦で三月のこと。
彌生の語源・由來 彌生は、「彌生(いやおい)」が変化したものとされる。 彌生の「彌(いや)」は、「いよいよ」「ますます」などを意味する。 彌生の「生(おい)」は、「生い茂る」と使われるように、草木が芽吹くことを意味する。 草木がだんだん芽吹く月であることから、彌生となった。 4,卯月 うづき
卯月とは、陰暦で四月のこと。
卯月の語源・由來 卯月は、卯の花(ウツギの花)が咲く季節なので、「卯の花月」の略とする説が有力とされる。 その他の説では、卯月の「う」は「初」「産」を意味する「う」で、一年の循環の最初を意味したとする説。 稲を植える月で「植月」が転じたとする説。 十二支の四番目が「卯」であることから、幹支を月に當てはめ、卯月になったとする説がある。 ただし、「植月」の説は皐月の語源と似ているため、似た意味から付けられたとは考え難く、幹支の説は他の月に例がないため不自然と思われる 5 皐月 さつき
皐月とは、陰暦で五月のこと。ツツジ科の常緑低木。関東以西の川岸の岩山などに自生し、古くから観賞用として栽培されている。
皐月の語源・由來 皐月は、耕作を意味する古語「さ」から、稲作の月として「さつき」になった。 早苗を植える月「早苗月(さなえづき)」が略され、「さつき」になったとする説もあるが、「早苗」の「さ」も耕作の「さ」が語源とされる。 漢字「皐」には、「神に捧げる稲」という意味があるため、皐月が當てられたと思われる。 植物のサツキは、「五月に咲くツツジ」という意味から、「サツキツツジ」と呼ばれるようになり、略され「サツキ」となった。 6 水無月 みなづき
水無月とは、陰暦で六月のこと。
水無月の語源・由來 水無月は、水の無い月と書くが、水が無いわけではない。 水無月の「無」は、「の」にあたる連體助詞「な」で、「水の月」という意味になる。 陰暦六月は、田に水を引く月であることから、水無月と言われるようになった。 7 文月ふづき・ふみづき
文月とは、陰暦で七月のこと。
文月の語源・由來 文月の語源は、短冊に歌や字を書き、書道の上達を祈った七夕の行事に因み、「文披月(ふみひらきづき)」が転じたとする説が有力とされる。 その他、陰暦七月が稲穂が膨らむ月であるため、「穂含月(ほふみづき)」「含月(ふくみづき)」からの転とする説。 稲穂の膨らみを見る月であるため、「穂見月(ほみづき)」からの転とする説もある。
8 葉月はづき
葉月とは、陰暦で八月のこと。
葉月の語源・由來 葉月の語源は、新暦では九月上旬から十月上旬の秋にあたるため、葉の落ちる月「葉落ち月」が転じて「葉月」になったとする説。 稲の穂が張る月「穂張り月」「張り月」から、「葉月」になったとする説。 北方から初めて雁が來る月なので、「初來月」「初月」から「葉月」になったとする説などがある。 「葉落ち月」の説が有力にも思えるが、必ずしも漢字がそのまま殘るとは限らず、當て字の可能性もあるため、正確な語源は未詳。 9 長月 ながつき 陰暦の九月 10 神無月 かんなづき 陰暦の十月 11 霜月 しもつき 陰暦の十一月 12 師走しわす 師走とは、陰暦で十二月のこと。
師走の語源・由來 師走は當て字で、語源は以下の通り諸説あり、正確な語源は未詳である。 師走の主な語源説として、師匠の僧がお経をあげるために、東西を馳せる月と解釈する「師馳す(しはす)」がある。 この説は、平安末期の「色葉字類抄(いろはじるいしょう)」に、「しはす」の注として説明されている。 現代の「師走」と漢字の意味も近く、古い説であるため有力に思えるが、「師馳す」説は民間語源で、この説を元に「師走」の字が當てられたと考えられる。 その他、「年が果てる」意味の「年果つ(としはつ)」が変化したとする説。 「四季の果てる月」を意味する「四極(しはつ)」からとする説。 「一年の最後になし終える」意味の「為果つ(しはつ)」からとする説などがある。
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