風(かぜ)は叫(さけ)ぶ
人(ひと)の世(よ)の哀(かな)しみを
星(ほし)に抱(だ)かれた
靜寂(しじま)の中(なか)で
胸(むね)を開(ひら)けば燃(も)ゆる
血潮(ちしお)の赫(あか)は
共(とも)に混(ま)ざりて
大(おお)いなる流(なが)れに
人(ひと)は夢見(ゆめみ)る
ゆえに儚(はかな)く
ゆえに生(い)きるもの
嗚呼(ああ) 嗚呼(ああ)
誰(だれ)も知(し)らない
明(あし)日(た)散(ち)る花(はな)さえも
固(かた)い契(ちぎ)り
爛漫(らんまん)の花(はな)の下(した)
月(つき)を飲(の)み千(ほ)す
宴(うたげ)の杯(さかずき)
君(きみ)は歸(かえ)らず
殘(のこ)されて佇(たたず)めば
肩(かた)にあの日(ひ)の
誓(ちか)いの花吹雪(はなふぶき)
人(ひと)は信(しん)じて
そして破(やぶ)れて
そして生(い)きるもの
誰(だれ)も知(し)らない
明日(あした)散(ち)る花(はな)さえも
國(くに)は破(やぶ)れて
城(しろ)も破(やぶ)れて
草(くさ)は枯(か)れても
風(かぜ)は泣(な)き渡(わた)る
風(かぜ)のその姿(すがた)を
花(はな)が傳(つた)える
END