1)稅金の扶養 と 2)健康保険?年金の扶養 の2種類があります。
まず、稅金の扶養と健康保険?年金の扶養は全く別のものであるという理解が必要です。稅金の所轄は國稅庁(財務省)で、健康保険?年金の所轄は社會保険庁(厚生労働省)です。つまり異なる製度だということです。
今回は、稅金(所得稅)と 健康保険?年金(社會保険)、その違いについてご説明していきたいと思います。
扶養に入る條件 ― その1.扶養の範囲
所得稅
1)配偶者(內縁関係の人は該當しません)、親族(6親等內の血族及び3親等內の姻族をいいます)又は都道府県知事から養育を委託された児童(いわゆる裏子)や市町村長から養護を委託された老人であること。
2)納稅者と※生計を一にしている。
3)青色申告者の事業専従者として、その年を通じて一度も給與の支払いを受けていないこと又は白色申告者の事業専従者でないこと。
4)その年の12月31日現在の年齢が16歳以上である。
※『生計を一にする』とは … 必ずしも同居を要件とするものではありません。例えば、勤務、修學、療養費等の都合上別居している場合であっても、餘暇には起居を共にすることを常例としている場合や、常に生活費、學資金、療養費等の送金が行われている場合には、『生計を一にする』ものとして取り扱われます。なお、親族が同一の家屋に起居している場合には、明らかに互いに獨立した生活を営んでいると認められる場合を除き、『生計を一にする』ものとして取り扱われます。 (所基通2-47)
社會保険
1)配偶者?直徑尊屬(父母?祖父母など)?子、孫及び弟妹
… 被保険者と同居している必要はない
2)上記以外の3親等以內の親族(兄姉、伯叔父母、甥姪とその配偶者など)?內縁関係の配偶者の父母及び子(當該配偶者の死後、引続き同居する場合を含む)
… 被保険者との同居が必要である
3)被保険者により主として生計を維持されていること。
扶養に入る條件 ― その2.収入
所得稅
1)年間の合計所得金額が38萬円以下であること(給與所得でいうと、1月~12月の1年間の給與収入が103萬円以下)。
○ 雇用保険の給付金は非課稅ですので収入の中に入りません。
社會保険
1)年間収入130萬円未満(60歳以上又は障害者の場合は、年間収入180萬円未満)であること。
○ 年間収入とは、過去における収入のことではなく、扶養されることになった時點での年間の見込み収入額のことをいいます。(給與所得等の収入の場合、月額108,333円以下。雇用保険の給付金等の受給の場合、日額3,611円以下。)
○ 所得稅では非課稅対象となる雇用保険の給付金、障害年金、遺族年金、傷病手當金、出産手當金等も収入に含まれます。
2)同居の場合は、収入が扶養者(被保険者)の半分未満であり、別居の場合は、収入が扶養者からの仕送り額未満であること。
(注)収入が扶養者の半分以上の場合であっても、年金機構が総合的に勘案して被扶養者と認められる場合もあります。
以上、所得稅と社會保険での『扶養』について隨分違いがあることが分かったと思います。考え方としては、所得稅はその年、1年間の合計所得で判斷し、社會保険は現時點での収入の見込みにより判斷するということです。
尚、今までの説明では、被保険者の健康保険が「社會保険事務所(年金事務所)」の健康保険である場合の基準でしたが、被保険者の會社が「健康保険組合」に所屬している場合、運営狀況によって扶養の認定に違いがある場合もあるようですので、ご確認をお願いいたします。