自殺の真実。

回答: 紅顏是禍水王翠花2014-08-05 20:37:15

笹井芳樹の自殺をどう意味づけるか。それは、事件の責任をとったということであり、また、事件の責任から逃げたということである。前者の意味から考えよう。この行為によって、笹井芳樹自身が、「STAP細胞」が存在しないことを世間に明確に宣告したと言える。それが捏造による不正であったことを、行動で示唆し、そして不始末の責任をとった。もし、「STAP細胞」に本人が自信を持っているのなら、自ら再現実験に乗り出して証明すればよかった。過去にも、研究不正で追い詰められて自殺した例が幾つかある。報道では、笹井芳樹の體調悪化が書かれ、何やら精神的に重病で心神喪失であったような印象操作がされているが、最近のNHKの番組の中でも、取材班の質問へのメールの返事は非常にロジカルで、彼らしい華麗な詭弁で「TCR再構成」の疑義に反論していた。そこから判斷して、自殺は決して突発的なものではなく、悩んだ末の決斷の結果だと言える。笹井芳樹の身で考えれば、もし自殺しなければ、最終的には自分の口から捏造と不正を認める供述をせざるを得ず、それだけでなく、小保方晴子との関係の疑惑についても問い詰められ、耐えられない屈辱を味わう目になっていただろう。家族の前で生き恥をさらしたくなかったのだ。NHKは、二人のメールのやりとりだけでなく、出張の中味についても証拠を押さえている。理研が內部調査で得た証拠資料は、すべてNHKの手に渡っている。

笹井芳樹の自殺によって、「STAP細胞は存在する」と考える者は、さらに劇的に減っただろうし、「STAP細胞があるかないかが重要だ」などという軽薄な戯れ言を弄し、そこから小保方晴子を擁護する者はいなくなるだろう。マスコミの報道では、笹井芳樹が小保方晴子に宛てた遺書の一部が公開され、「あなたのせいではない」「STAP細胞を必ず再現してください」と書かれていたとある。この報道については、大いに怪しんで吟味する必要がある。もし、これが事実であったとして、何でこのワイドショー的な斷片だけがマスコミに撒かれたのか。まず、この「事実」をマスコミに撒いたのは誰なのか。理研だろうか、兵庫県警だろうか。誰の仕業なのか知りたい。この言葉だけが切り取られて報じられることで、世間一般の感情は、またぞろ小保方晴子への同情を強める方向に作用し、「STAP細胞」の虛偽について小保方晴子や理研を追及していた側は、その勢いを怯ませられる逆風に立たされる。ここに、このフレーズを撒いた者の意思と作為がある。それは、「STAP細胞」の虛偽と捏造に対する告発を封じようとすることであり、笹井芳樹や小保方晴子への同情論を搔き立て、笹井芳樹や小保方晴子を批判してきた者を責め、真相解明への動きを尻込みさせることだ。そうした動機を持っているのは、理研の上層部であり、小保方晴子を強引に擁護する安倍政権である。

小保方晴子に「STAP細胞を必ず再現してください」と遺言していた件が事実であれば、笹井芳樹は、4/16の會見時の態度と説明をフリーズしたことになる。それを揺るがさず、結局のところ、自分は「STAP細胞」の存在を信じていたという像で確定させた。真相究明を求める立場としては、このことはとても殘念なことだ。笹井芳樹は、この捏造と不正について最も事実を知っていた者であり、それを科學的に正確に説明できる者であり、國民に向かって説明しなければならない義務を負った者だった。そして、笹井芳樹に、逃げずにそうして欲しかった。責任を全うして欲しかった。その笹井芳樹が、こうして小保方晴子を擁護するメッセージを発信して自殺したことは、事件の真相解明が遠のき、「STAP細胞」の虛構と詐欺が迷宮化する可能性が増したことを意味する。自裁は一つの責任のとり方であり、究極の引責の方法に違いないが、真実を言わないまま死者になることは、責任の放棄であり、逃亡である。中途半端な責任のとり方だと言うしかない。本人と家族の名譽という點でも、この結末がよかったとは言えない。勇気を出して、自らの誤りを正直に認め、全てを告白して欲しかったし、どれほど恥をかき、泥にまみれても、そこから人生を再出発する選択をして欲しかった。不正事件の科學史という點からも、マイルドな形での問題解決にならず、陰慘きわまる性格のものになった。

この事件では、私の前に二人の優秀な男が登場した。石井俊輔と笹井芳樹である。二人の話には、普段、政治を追いかけるときに聞くことのできない、頭脳の優秀さが感じられ、そのことが私をこの事件に惹きつける要因の一つにもなっていた。笹井芳樹が、NHKの番組に追い詰められたことは間違いない。だが、結果的に追い詰めた形になったからと言って、ここでNHKを糾弾するのは間違っている。報道機関が國民に代わって不正事件を追及するのは當然のことで、真実を追跡して報道する使命が公共放送にはある。むしろ、責められるべきは理研であり、安倍晉三と下村博文だろう。笹井芳樹は3月に副センター長辭任を申し出ていたのだから、そこで辭任を受理すればよかったではないか。肩の荷を軽くしてやり、真実をありのまま自供する気楽な精神狀態にしてやればよかった。論文不正の結論は5月に最終決定したのだから、6月に速やかに小保方晴子の解雇と笹井芳樹の辭任を発表すればよかった。そうしていれば、NHKに証拠全體(メール交信録、出張明細)が渡ることはなく、NHKの番組製作の內容も違うものになっていただろう。笹井芳樹の自殺というのは、ひょっとしたらあるかもしれないと、心の中で1%ほどは可能性を考えていた展開だ。後づけのようだが、ここでそのことを書く。あのNHKの放送の後、2ch生物板で、笹井芳樹が先に逮捕されるのではないかという憶測が流れ始めていた。

私は、それは十分あり得ると納得して注目をしていた。逮捕の理由というか容疑は、例の再生醫療の國家戦略特區がらみの利権に関わる問題である。NHKの番組は、神戸市の元幹部を証言者として登場させ、笹井芳樹がプロジェクトを引っ張る中心人物で、巨大事業全體を統轄するマネージャー役だという點を強調していた。ということは、例の38億円の笹井ビルに入居するベンチャー企業の選別とか推薦について、笹井芳樹が絶大な権能を持っていることを意味する。その関連で、何か職権に抵觸する小さな嫌疑を検察が內偵していた可能性が考えられた。同じことばかり言って恐縮だが、NHKが、あの神戸市関係者の証言をあの表現で挿入するということは、相當な裏があってのことと想像するのが普通だ。だから、私は笹井芳樹の自殺について、ひょっとしたら検察の手が及ぶことを察知しての行動だったのではないかとも疑っている。7月に入り、早稲田が博士號を安堵し、下村博文の指示で「再現実験」へ突入した時點で、最早、この事件を解決できる主體は、強製捜査の権限を持った司法當局しかなくなっていた。動かぬ証拠を本人たちに突きつけ、自供をとることができるのは、刑事司法官しかなく、その場合は、まず周辺の疑惑のところから洗って笹井芳樹を捜査の標的にし、笹井芳樹から「STAP細胞」の捏造について自供を取り、そして小保方晴子を聴取して落とすというアプローチが推測された。

笹井芳樹は、結局のところ、4/16の會見の立場を頑迷に守り抜き、小保方晴子を擁護する姿勢を撤回せぬまま口を閉ざした。「STAP細胞」についても、その存在を否定せず、「再現実験」を応援するメッセージを発信して還らぬ人となった。この悲劇は、小保方晴子と理研上層部にとって、願ったり葉ったりの最も好都合な展開だろう。死人に口なし。この「遺言」を強力な護符にして、小保方晴子は「再現実験」の身を安泰させることができ、理研は「STAP細胞」の過誤と責任を曖昧化するフェイドアウトの時間稼ぎを正當化できる。笹井芳樹は、自死によって國民と科學者たちの前で責任をとり、「STAP細胞」の捏造と虛偽を事実上認めつつ、「遺書」の字麵の上ではそれを認めず、自らの非を認めず、追及から逃げたい小保方晴子と理研の意向に沿う配慮を殘した。昨日(8/5)の竹市雅俊と野依良治の他人事のコメントを見ていると、「責任を一人で背負って逝ってくれてホッとした」という安堵の本音が透けて見える。これで理研は、何もかも笹井芳樹に押しつけられるし、「あいつが全部やった」という釈明に出てくるだろう。竹市雅俊は巧く言葉を繕っているが、5月から7月のCDBの中では、孤立する笹井芳樹に対して「早く一人で消えてくれ」という冷酷な態度で接していたのではないか。ノモンハン事件後の陸軍の対処とか、そういう日本の毒々しい組織體質の悪弊を想起する。それと、気になるのは衝撃を受けているに違いない若山照彥と丹羽仁史で、この二人が笹井芳樹と同じ目に遭わないか心配だ。

なぜなら、笹井芳樹亡き後、「STAP細胞」の虛偽と捏造について、現場の當事者として最もよく事実を知り、國民に説明をしなくてはいけない責任者がこの二人だからであり、強烈な精神的重圧がかかる境遇になるからだ。小保方晴子は、司法當局が動かない限り、最後まで捏造を認めないだろう。安倍晉三も、最後まで小保方晴子を擁護し、「があるかないか分からない」狀態を続けさせようとするだろう。となると、丹羽仁史と若山照彥は、真相解明を求める國民の世論と、ウソを言い続けて塗り固める安倍政権?理研との間の板挾みになる。笹井芳樹の自殺は、1%くらい可能性を考えたが、やはり意外なハプニングである。ハプニングはどう続くか分からない。一部には、笹井芳樹は誰かに暗殺されたのではないかという陰謀論も出回っている。陰謀論ではあるけれど、一笑に付せない陰謀論だ。2ch生物版では、誰かが(笹井芳樹が)死ぬのではないかという噂も確かに出ていた。この事件は、遂に関係者の命を奪うところまで大きくなった。3月にこの事件に遭遇したとき、事件の意味の大きさを直感し、圧倒され、意識が密著したまま離れられなくなったけれど、そのときから、この不幸へ至る將來は何となく予感できていたような気がする。丹羽仁史と若山照彥を板挾みの重圧で苦しめないためには、安倍晉三が「STAP細胞」から手を引き、小保方晴子を擁護する大衆扇動をやめ、「STAP細胞」の「検証」を打ち止めにすることだ。社會全體が科學の理性に即き、正気を取り戻し、事件を速やかに解決させることだ。

この事件は、単なる研究不正事件ではなくなっている。シェーン事件にルイセンコ事件が被る二重構造の厄介な問題になっている。政治事件でもある。だから、人の命が奪われる。恐るべき悪魔の事件そのものだ。早く収束させないと、第二、第三の犠牲者が出るだろう。それと、最後に、今回の件で、理研CDBの崩壊が決定的になった點も言わないといけない。誰の目にもそれは明瞭だ。解體には反対などと理研は言っているが、笹井芳樹がこのような非業の最期を遂げて、果たしてCDBを今後も運営し続けることができるだろうか。CDBだけでなく、ポートアイランドの再生醫療プロジェクト全體も、キーマンを失って挫折せざるを得なくなった。事業を引っ張るリーダーを欠く事態となった。こんなことになる前に、早い段階で手術して、問題の影響を最小限に食い止めておけばよかったとも思うし、CDBの崩壊と神戸再生醫療事業の頓挫は必然で、事件全體の解明が進み、笹井芳樹の関與と役割が明白になれば、遅かれ早かれ、破滅と解體へと向かわざるを得なかったことは間違いないとも思う。NHKのスタッフには、この混亂で意気消沈したり、小保方擁護派の狂衆たちのバッシングに惑わされることなく、引き続き、真実を解き明かす鋭意のジャーナリズムを続けて欲しい。憶してはいけない。真実を明らかにすること、日本の科學を理性と常識の道に正しく戻すことが、この事件で犠牲になった笹井芳樹の霊を弔うことになる。司法當局が動かない以上、小保方晴子事件の真相を解明できるのは、証拠を押さえたNHKと、正論に即く科學ジャーナリズムしかないのだ。

理研は、一刻も早く「検証実験」と「再現実験」の中止を決斷することだ。呪われた悪魔の事件の犠牲者をこれ以上出さないために。

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