結び柳(むすびやなぎ) |
初釜の床飾りで、柳の枝をたわめ曲げて輪に結び、床の柳釘などに掛けた青竹などの花入から長く垂らしたもの。綰柳(わんりゅう)ともいう。「綰」とは曲げて輪にするという意。中國北魏(386~534)の賈思〓(かしきよう)が著した農書『齊民要術』に「正月旦、取楊柳枝著戸上、百鬼不入家」(正月の朝、楊柳の枝を戸口に挿しておけば、百鬼が家に入らない)とある。また「柳」を「竜」に通ずるものとし、進士に合格する登竜門にあやかろうと、橋のたもとにある柳の枝を一枝折って子に與え、竜(柳)になれと子を勵まし、出世を祝ったという。唐の 張喬の詩「寄維揚故人」(維楊の故人に寄す)に「離別河邊綰柳條、千山萬水玉人遙。」 (離別河辺に柳條を結ぶ、仙山萬水玉人遙かなり) とあり、昔の中國では人と別れるとき、送る者と送られる者が、雙方柳の枝を持って、柳の枝と枝を結び合わせて別れる風習があった。柳枝を結ぶとは、曲げて輪にすることをいい、これは柳の枝がしなやかでよく曲がるので輪とし、無事に回転して帰るように旅中の平安を祈る意をふくませたものという。 この故事%A |