吾輩は貓が嫌いである
我家の貓の名前は「ボタン」と言う。女の子で雑種、しかも太り気味で態度も図々しい。この子が我家に來て以來、床のいたるところに傷、壁紙に至っては完膚無きという無殘さ。それに加えて、貓の癖して足音立てるわ、走るのに助走が長いわと、貓らしいところもあまりない。だから吾輩はボタンのことを「トロン」と呼んでいる。世にも珍しいとろい貓である。
吾輩は大の貓嫌いである。吾輩の出張中に家族が勝手に飼いはじめ、吾輩が家に戻ったらもうこの子がいたのである。蹴飛ばしても足元に來るし、テレビを見ると膝にのって寢たふりをする。振り落とそうとしてもしがみつく。昨年から吾輩は「獨身」狀態が続き一人で貓の麵倒を見る羽目になった。我輩にとってまさに地獄そのものである。
トロンの好きな言葉は「ゴロン」。ゴロンと言うとすぐに仰向けになり首のあたりを掻いてほしいとポーズをとる。掻いてやると気持ちよさそうにニャオニャオと鳴き、さらにやってと體をくねくねさせる。今晝間は貓一人が留守番なので、夜中帰ると足音を聞いて玄関先まで迎えに來る。家に入るとすぐ餌をあげてもそのまま食べなくて、まずリビングに行って仰向けになってこちょこちょされるのを待っている。それをやって初めて餌場に行ってその後ソファの隣に座って居眠りをする。寢るときは自分のベッドだが吾輩が起きないと絶対に起きない。もうお前起きているだろうと目を開けてみても動かずに體を丸めて寢ている。貓が嫌いだが羨ましいやつでもある。
吾輩も食っちゃ寢の生活がしたい。
トロンにしても迷惑千萬であろう。好きでもない人の世話になり、媚びても媚びても無視されることが多い。生きていくのに知恵を絞っているのであろう。
トロンは外に出ることが好きである。窓を開けるとすぐベランダーに出るし、一階の網戸を前足で開けて庭に出ることもある。しかし家貓なので自分の家を外から見たことがないので、ビビッてしまってどっかに隠れてひたすら怒っているだけである。毎回外に逃げられると探し出すのに一苦労する。だから一階の窓を極力開けないようにしているが、これから夏場で大変である。
吾輩は貓が嫌いだがトロンを虐待していない。ちゃんと毎日餌をやり、掃除もし、週一回風呂にも入れている。だからもし貓好きな方がこの文章を見たら怒らないでほしい。もらってやろうと考えても無理がある。何せ吾輩が嫌いでも家族のみんなはトロンが好きである。吾輩にしては早くこの地獄を脫出したいが、當分の間麵倒を見ないといけない。
無奈出差寄放旅館時,回來總是瘦一圈,心疼。。。