1 薄紅の秋桜が 秋の日の
何気ない陽溜まりに 揺れている
この頃涙もろくなった 母が
庭先で 一つ咳をする
縁側でアルバムを 開いては
私の幼い日の 思い出を
何度も同じ話 繰り返す
獨り言みたいに 小さな聲で
こんな小春日和の 穏やかな日は
貴方の優しさが しみてくる
明日嫁ぐ私に 苦労はしても
笑い話に 時が変えるよ
心配いらないと 笑った
2 あれこれと思い出を たどったら
いつの日も一人では なかったと
今更ながら我ままな 私に
唇 噛んでいます
明日への荷造りに 手を借りて
しばらくは楽しげに いたけれど
突然涙こぼし 元気でと
何度も何度も 繰り返す母
ありがとうの言葉を かみしめながら
生きてみます 私なりに
こんな小春日和の 穏やかな日は
もう少し あなたの子供で
いさせて下さい
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