竊盜続発、通報250件=他都県応援、パトロール強化―真偽不明のうわさも・宮城
時事通信 3月20日(日)2時33分配信
津波の被害を受けた県內のある市街地。アーケード通りには昔ながらの個人商店が並ぶ。ガラスドアが壊れた服飾店の前で、経営者の男性(41)が立ち盡くしていた。「寶石やブランド服が1200萬円以上、レジの金も全部取られた」と憤る。店內に散亂しているはずの商品が完全になくなっていた。
別の通りの商店の60代男性店主は、近くのスーパーで、女性が食品を持ち去るのを目撃した。「空腹に耐えかねたのか」と最初は自身を納得させた。しかし、周りで楽器や陶器も盜まれたと聞くにつれ、「食品から始まり、盜みに抵抗がなくなっているのでは」と危懼する。
被災した車のガソリンや車內の物品が狙われるケースも報告されているという。同県南三陸町の佐藤仁町長は「夜は明かりも何もない中なので、対策は難しい」と頭を抱える。
捜査関係者によると、宮城県警が把握している竊盜被害は現金約580萬円、物品490萬円相當。震災に乗じ増えているという。県警は応援を含め38台のパトカーを確保し、24時間態勢で警戒に當たる。
ある市では「路地で夜、刺された人がいる」「集団で強盜に來ている」といった真偽不明の話も出回っている。県警は「承知していない」と否定。不安感から広まったうわさとみられ、パトロール強化には防犯に加え、住民を安心させる効果も期待されている。