ノーベル平和賞に劉暁波氏 投獄中の中國民主活動家
産経新聞 10月8日(金)18時6分配信
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劉暁波氏(寫真:産経新聞) |
[フォト]劉氏有力視に不快感 ノーベル賞めぐり中國
劉氏は吉林省出身で、北京師範大や米ハワイ大などで中國現代文學などを講義。1989年の天安門事件の際には、米國から帰國して天安門広場でハンストを実施し、逮捕された。
天安門事件後、民主化運動の指導者や知識人の多くが海外に脫出する中、91年の出獄後も國內で民主化を求める論文を書き続けた。
2008年、共産黨の一黨獨裁體製の廃止や民主選挙の実施とともに、言論、宗教、集會、結社の自由などを求めた「08憲章」を、中國の學者ら303人の署名を添えてインターネット上に発表。劉氏はその直前に拘束された。
10年2月、國家政権転覆扇動罪で懲役11年、政治的権利剝奪(はくだつ)2年の判決が確定。現在、遼寧省錦州市の刑務所で服役している。
ノルウェーのノーベル賞委員會によると、中國の外務省高官が今年6月、「(劉氏に平和賞を)授與すれば、ノルウェーと中國の関係は悪化するだろう」と同委に圧力をかけていた。
劉氏のノーベル平和賞受賞を契機に、國際社會から中國の民主・人権狀況に対して非難の聲が高まる可能性がある。
1989年にチベット仏教の最高指導者、ダライ・ラマ14世がノーベル平和賞を受賞した際、中國政府は激しく反発した。2000年には、フランスに亡命した作家、高行健氏が華人として初めてノーベル文學賞を受賞している。
昨年のノーベル平和賞は、「核兵器のない世界」の実現を掲げたオバマ米大統領に授與された。
【プロフィル】劉暁波氏
りゅう・ぎょうは 1955年、吉林省長春市生まれ。88年、北京師範大文學部で博士號を取得。89年春、研究生活を送っていた米國から帰國し北京の民主化運動に參加。天安門事件後、反革命罪などでたびたび投獄される。
2008年12月、「08憲章」を中心になって起草し発表。國家政権転覆扇動などの容疑で逮捕され、09年12月、北京の第一中級人民法院で懲役11年、政治的権利剝奪(はくだつ)2年の判決を受けた。10年2月には、北京の高級人民法院が劉氏の控訴を棄卻、実刑判決が確定した。夫人は劉霞さん(49)。