北宋 雲知禪師題永福寺
呼猿洞西藏石筍,丹桂蒼鬆達鷲嶺。幾年陳跡絕纖垓,一旦佳茗出清景。
山家時喜來五馬,相攜款曲空岩下。遂許誅茆結小庵,異日功成伴瀟灑。
庵成可以資靜觀,目前直見江湖寬。鄴公政闌每頻到,試茶笑傲浮雲端。
物外似忘軒冕貴。此中深得林泉意。野人陪著病維摩,遊戲自同方丈地。
芳猷從此流千載,且得而今光勝慨。
試訳
猿呼んで洞窟の西に石筍を隠し
丹桂蒼鬆霊鷲に連なる
數年人跡絶えて
一旦名茶より清景が知れ渡る
五馬の車が時に山小屋に來りて
相攜わって談笑する空岩の下
遂に藪を刈って小庵を結ぶことを許し
來る成就の日を伴に灑落す
庵できて何と言う靜かな佇まい
目前に江湖広く見えるなり
鄴公も政務の後頻繁に來りて
茶を試し意気浮雲をしのぶ
俗世離れて軒冕の貴も忘れ
ここで林泉の意を深く得る
野人の我がお伴して
方丈にいるのと同じ
品性はこれより千年流芳し
今ただ嘆く事この上なし