STAP細胞の検証実験を進めていた理化學研究所の小保方晴子研究員(31)が、11月末の期限までにSTAP細胞を再現できなかったことが18日、関係者への取材で分かった。理研は早ければ週內に検証結果を公表する。
STAP細胞の論文では、マウスのリンパ球を弱酸性液に浸すと萬能細胞特有の遺伝子が働きだし、目印の緑色の蛍光を放つとされた。複數の関係者によると、小保方氏の実験では一部の細胞がわずかに光ったが、STAP細胞の作製は認められなかったという。実験は11月末で終了し、小保方氏は実験データの解析や取りまとめを行っているという。
小保方氏らは1月末、マウスの細胞に刺激を與えるだけで、さまざまな細胞になる能力を持つSTAP細胞ができたと英科學誌ネイチャーに発表した。しかし、論文の実験畫像に疑義が指摘され、理研の調査委員會は捏造(ねつぞう)や改ざんがあったと認定した。
論文は7月に撤回され研究は白紙に戻ったが、理研は真偽を確かめるためとして、來年3月末を期限に検証チームが実験を進めている。今年8月の中間報告では、STAP細胞は作製できていなかった。
小保方氏は7月から実験に參加。チームとは別に第三者の立ち會いの下、撤回した論文と同じ方法でSTAP細胞を再現できるか実験を続けてきた。小保方氏がSTAP細胞を再現できなかったことで、検証チームの実験も打ち切られる可能性がある。
理研はSTAP細胞問題を受け、小保方氏が所屬していた神戸市の発生?再生科學総合研究センター(CDB)を11月に「多細胞システム形成研究センター」に再編。小保方氏は検証チームの研究員として神戸市で実験を続けていた。
小保方氏の代理人を務める三木秀夫弁護士は18日、取材に対し「今は何も言えない」と話した。
[時事通信社]