理研の優遇法案、今國會成立を斷念へ STAP問題受け
朝日新聞デジタル 4月10日(木)9時32分配信
安倍內閣は、研究者に高給を認めるなど理化學研究所を優遇する法案の今國會成立を斷念する方向で調整に入った。理研はSTAP細胞の論文に不正があったと認定したが、筆頭著者の小保方晴子氏が否定し、全容が解明されていない。疑惑を招いた理研の組織的な問題も指摘されており、このままでは與野黨の理解を得るのは困難と判斷した。
法案は、理研を世界最高水準の研究機関にしようと「特定國立研究開発法人」に指定するもの。內閣は今月中旬に閣議決定し、法案を國會に出す予定だった。しかし、菅義偉官房長官は9日の會見で「一連の問題にメドが立たないうちは閣議決定しない」と明言。政権幹部も「成立は難しい」と認めた。
小保方氏が理研に求めている再調査が認められた場合、結果が出るまで最長50日かかる。6月22日の今國會會期末までに法案を提出しても、十分な審議時間を確保できないため、今國會での法案成立をあきらめる方向となった。経済産業省が所管する産業技術総合研究所も同法人の候補だが、內閣は理研と同時に指定する方針で、産総研の指定も先送りされる見通し。