ガラス瓶式ハーブ蒸留器の作り方
透明でコンパクトな作りにリニューアルしました。 動畫も載せました、精油採りにも挑戦しています。 news 自作用の部品セットを用意しました。本文、末尾をご覧ください。 |
【概要】 ガラス瓶を冷卻器として使う蒸留器の作り方です。 簡素ですが機能は本物です。 ラベンダーからは精油も採れました。 |
![]() 冷卻部(ビン側)は、水に沈めて使います。今回は水の入れ物として、梅酒用つけ瓶を使いました。 |
【內容】 | 姉妹サイトハーブ蒸留日記にてガラス瓶を使った蒸留結果もレポートしている のですが、作り方自體は公開していませんでした。結構な工作を要した為です。 ところが最近になって、完璧を目指さなければ、アルミテープの貼り合わせだけ で作れる事に気づき、遅ればせながら作り方を公開する事になりました。 ガラス瓶を用いた蒸留器の特徴は、裝置全體に透明感、清潔感がある事です。 また、蒸気が水に変わる現象を直視できる點です。幻想的な美しさを感じる場合 さえあります。 工作としてはアルミテープで張り合わせるだけですので、是非とも自作に挑戦 して頂きたいと思います。 |
【性能】 | 採れる芳香蒸留水(ハーブウォーター)の量は、ガラス瓶の容量の半分以下と お考え下さい。今回使ったガラス瓶の容量は180ccでしたので、最大で90 ccとなります。 蒸留時間に関しては、冷卻水の水溫に影響されます。冬の一番寒い時期に、生 のローズマリーを材料にして、完成試験を行いました。その結果、20分で80 cc程の芳香蒸留水が採れました。これが最大性能と思われます。 氷で冷やす方法も考えられますが、以下の理由でお勧めできません。 理由1;冷卻部が曇ってしまって、蒸留の様子が見えない。 理由2;ガラス瓶が割れる心配がある。 |
【長所と短所】 | 長所は何と言っても、裝置に透明感がある點でしょう。 水蒸気が液化する瞬間は幻想的とも言えます。 短所は、多少の場所を必要とする點です。冷卻水を使いますので。 |
【ご注意】 | ①.火傷(やけど)にご注意 100℃に達する水蒸気を扱いますので、常にやけどには気をつけて下さい。 ②.事前のお斷り 本ホームページを見られて実行されたいかなる結果につきましても 當方は責任を負いませんのでご了承下さい。 |
【蒸留器の作り方】
1.工具類 | ![]() 以下の3つの作業に使います。 ・鍋ふたの小穴塞ぎ ・シュークリーム用口金の取り付け ・ガラス瓶への重石(排水用皿)の取り付け カー用品店、またはホームセンターのカー用品売り場に置いてあると思います。 価格は多少高くて800円前後。しかし便利です。 アルミテープによる工作は永久固定ではありません。 蒸留を繰り返せば緩むでしょうが、その時は貼り直しましょう。 これがテープによる工作の利點です。 また、完璧を求めない作り方の発想でもあります。 |
2.冷卻部の作り方 | ![]() ![]() ![]() 部品は左より、 ①.ワインのミニボトル(180cc) ワインボトルの形狀は様々ですが、肩が張っている方が冷卻に向いていると思われます。 ②.排水用皿 ホームセンターの水道用品売り場にあります。直徑90mmで、価格は650円くらい。 ガラス瓶(ワインボトル)を沈める為の「重石」として使います。 一枚では沈まなかったので、今回は二枚使いました。 サイズ(直徑)は梅酒用つけ瓶の口徑以下にして下さい。 それでないと、梅酒用つけ瓶に入りませんので。 ③.アルミテープ 工具類のところで述べたアルミテープの切片。 長さは20cm程、一枚は排水皿の取り付け、殘りの2枚は、 ガラス瓶(ワインボトル)への巻き付けに使います。 排水用皿の取り付けですが、排水用皿の穴にテープを通すと取り付けやすいでしょう。 (上記寫真の真ん中) ガラス瓶(ワインボトル)への巻き付けですが、先の作業(排水用皿の取り付け)で 貼ったアルミテープを上から押さえる形で巻き付けます。 底に一巻き、中程に一巻きが良いでしょう。 (上記寫真の右側) ④.梅酒用つけ瓶 寫真は8リットル用、ホームセンターで700円位でした。 冷卻水の入れ物として使います。 梅酒用つけ瓶の製造メーカーは數社ありますが、中の見え具合が微妙に異なります。 できるだけ中が見やすい商品をお選び下さい。 水槽でも結構ですが、取っ手がある點で、梅酒用つけ瓶の方が扱い易いと思います。 |
3.蒸留部の作り方 | ![]() ![]() 部品は、 ①.鍋(左奧) 寫真はアルミ製の18センチ。ホームセンターで500円位でした。 かさばるハーブを蒸留する場合は、もう少し大きい方が良いでしょう。 蒸し板、鍋蓋は鍋のサイズに合わせて下さい。 ②.蒸し板(左手前) 18センチ用ですが、百円ショップにありました。 大きいサイズなら、ホームセンターで探すのが確実です。 ③.鍋蓋(右奧) 18センチ用ですが、同じく百円ショップにありました。中身が見易いガラス製です。 大きいサイズなら、ホームセンターで探すのが確実です。 ④.シュークリーム用の口金(右中央) 鍋ふたに取り付けて、蒸気の取出し口とします。 測定した訳ではありませんが、口金の內側(蒸気の通路側)に段差が無い、 或いは段差が少ないほうが蒸気の通りが良い様です。 推奨メーカー;田中糧機製作所。 ⑤.工具類で述べたアルミテープの切片。(右手前) 細長い3枚が、シュークリーム用口金の取り付け用。 口金を裏側から差し込んだ後にアルミテープで固定します。 蒸留回數を重ねると緩むと思いますが、その時は貼り直して下さい。 四角い一枚が、鍋ふたの小穴塞ぎ用。裏側から貼るのが宜しいと思います。 こちらは緩む事はないでしょう。 |
4.チューブの調達 | ![]() 調達する部材は、シリコンチューブ。100度の水蒸気が通りますので、熱に耐えられるシリコンチューブである事が必須です。 外徑10㎜、內徑8㎜のものを購入して下さい。 1mで500円位、使う長さは50cm程です。 単に蒸留操作を楽しむだけであれば一本で済ませられますが、様々なハーブの真の香りを抽出するのであれば、ハーブ毎にチューブを準備する事をお勧めします。 (2~3メートルの纏め買いをお勧めします) |
【完成試験レポート】
1.蒸留手順 | 【水入れ】![]() 【蒸し板入れ】 ![]() 【ハーブの準備】 ![]() ドライハーブでも問題ありません。 蒸気が通り易い程度に入れるのがコツ。 【冷卻水】 ![]() 【組み上げ】 ![]() 最後に組み上げます。シリコンチューブはガラス瓶(ワインボトル)の肩あたりまで差し込んで下さい。 【蒸留風景(動畫)】 youTubeへ投稿しました。こちらをご覧下さい 【蒸留中のノウハウ】 ノウハウ1;チューブの水滴落し シリコンチューブの內側に水滴が出來てしまう場合があります。 この様な場合、ボールペンなどで軽く5,6回、コンコンとチューブをたたくと、 水滴が落ちて、水蒸気の通りが良くなります。 ノウハウ2;蒸気漏れの黙認 蒸留中の水蒸気漏れを完全に無くす事は出來ません。多少の蒸気漏れは黙認し、 むしろ、蒸留者しか味わえない特権として、香りを楽しんで下さい。 【蒸留の終了判定】 ガラス瓶(ワインボトル)に4割くらいの芳香蒸留水が溜まったら終了として下さい。 |
2.蒸留結果 | ![]() 個人で使用するには十分な量でしょう。 |
【精油採りに挑戦】
【挑戦記】 | 【ラベンダーにて挑戦】 ラベンダーは精油含有量が特別に多いので、ラベンダーの精油採りに挑戦しました。 (正確に申しますと、別の蒸留器で様々なハーブを蒸留し、ラベンダーからは多く の精油が採れる事を知っていたからです。詳細は姉妹サイトハーブ蒸留日記を參照) 1.材料;ドライのラベンダー100g。 ![]() 2.結果;上部に數ミリの精油の層が見えます。(濁った部分、時間が経過すると澄んできます) ![]() 3.計測;メスシリンダーに移した狀態。 (3時間後にメスシリンダーがある事に気づき計測、精油が澄んできました) 精油の量は約5ccです。 ![]() ![]() 4.評価;精油が採れたと言う事で、蒸留器が本物である事が証明されたと思います。 5.補足;他のハーブからの抽出は難しいと思います。 以下はローズマリー(ドライ)100gを蒸留した結果です。 精油の幕が確認できる程度でした。 ![]() |
【自作部品セットの販売】
セット內容 | ![]() 寫真中央がシュークリーム用の口金。 その両隣が排水目皿(直徑90mm)。 手前が耐熱アルミテープ(幅5cm,長さ25cm)。 弧を描いているのがシリコンチューブ(內徑8mm,長さ50cm)。 価格は3,000円。メール便でお屆けします。 また、ホース4本のセットも用意しました。 お求め、ご質問は、ネットショップ橫見アロマ企畫まで。 |