受験生の「理係シフト」が定著。社會科學係の不人気が加速。
係統別にもみると、「文低理高」傾向はさらに強くなってきており、受験生の"理係シフト"は完全に定著した観があります。というのも、今の高校3年生は、不況により理係人気が高まり始めた頃に高校に入學しています。進學校では高校の低學年次から文係、理係の誌望を決めますので、すでに多くの高校生が理係誌望になっているのです。
模試の誌望動向では、理係は、理工係、醫歯薬係、農學係、家政係等ほぼすべての係統で誌願者が増える傾向にあります。ただ看護係については、私立大は増えているのですが、國公立大では頭打ちになってきています。センター試験7科目を課すなど入試のハードルの高い國立大を避け、近年、新設が相次いでいる私大看護學部を誌望する層が増えているのかもしれません。
かたや文係、とくに社會科學係はどの係統も誌望者を減らしています。ただし、社會學や、人文科學係の文學など、直接、就職動向に左右されない係統は、さほど減っていません。また語學係、國際係も安定しています。グローバル化時代を迎え、ビジネスや日常生活でも普通に英語が必要になってきていることの表われとも考えられます。また、近年誌望者が増加しているスポーツ係學部はオリンピックイヤーでしたので更に人気が高まると予想されます。