<公明・山口氏>「尖閣、対話解決を」習総書記 北京で會談
毎日新聞 1月25日(金)11時19分配信
【北京・福岡靜哉】公明黨の山口那津男代表は25日午前(日本時間同)、北京の人民大會堂で、中國共産黨の習近平総書記(國家副主席)と會談した。山口氏は安倍晉三首相から託された親書を習氏に手渡し、沖縄県・尖閣諸島をめぐり悪化した日中関係の改善に向け、日中首脳會談の実現を呼びかけた。習氏が昨年11月に総書記に就任してから、日本の與黨幹部と會談するのは初めて。
【公明・山口代表】香港のテレビに出演し事実上棚上げすべきとの考え示す
會談は約1時間10分行われた。習氏は尖閣諸島をめぐる日中対立について「立場の違いがあるが、対話と協議により解決する努力が必要だ」と指摘。山口氏も「お互いに立場の違いはあるが、外交上に生じた問題であり、対話を重ねれば必ず解決できると思う」と応じた。
山口氏によると、習氏は尖閣問題の「棚上げ」論については言及せず、山口氏も觸れなかった。日中首脳會談については、習氏は「ハイレベルな対応が重要であり、真剣に検討したい。そのための環境を整えることが重要だ」と表明。両氏はまた、「戦略的互恵関係」の推進に向けて努力することで一致した。
尖閣問題について、中國側は24日、山口氏と會談した王家瑞(おうかずい)中央対外連絡部長が「後々の世代に解決を託すこともある」と棚上げ論を提案した。
一方、日本政府は「尖閣諸島に領土問題は存在しない」との立場を変えない方針。山口氏は21日、香港のテレビ番組で棚上げ論に言及したが、24日夜には同行記者団に、「棚上げ論を我々から言うとか、約束する立場ではない」と語り日本政府と歩調を合わせていた。山口氏は25日午後に帰國する。