「今後も書き続けるのみだ」ノーベル文學賞の莫言氏
【北京=香取啓介】ノーベル文學賞を受賞した莫言氏は11日、中國國営新華社通信に対し、「大変うれしい。食事中にニュースを聞いてびっくりした」としたうえで、「ノーベル賞はとても重要な賞だが、最高の賞ではない。選考委員の意見を代表したものだ。私は自分の仕事に満足しているし、今後も書き続けるのみだ」と述べた。
また、「私の作品は、中國特有の文化や民俗を描いてきたが、広い意味で人を書いている。この仕事は民族や地域を超えたところにある」とした。
中國國営中央テレビも11日夜、山東省高密の故郷にいる莫言氏と著名キャスターの電話インタビューを生放送した。莫言氏は「この土地、同郷の人がいなければ、私という作家はいなかった」と感謝の気持ちを述べた。また、「一つの賞をもらったが、何を証明するものでもない。中國には素晴らしい作家が群れをなしている。作家で重要なのは作品であり、賞ではない」と話した。
作家として大きな影響を受けたフォークナーとガルシア・マルケス氏については「彼らの文章で私はどう書けばいいのかを悟った。同時に彼らからできるだけ早く遠ざかろうと思った。近づきすぎると、自分を見失ってしまうと思うほど影響を受けた」と話した。最後に「これまで通り、人の生活、人の情感を人の角度から、地に足をつけて書いていきたい」と述べた。