6月19日8時2分配信 産経新聞
天安門事件20周年に合わせて來日していた中國人の人権活動家、馮正虎(フウ12539;セイコ)さん(54)=上海在住=が今月7日と17日の2度にわたり、中國の空港や航空會社から入國や搭乗を拒否され、日本國內に足止めされていることが18日、分かった。
馮さんの関係者によると、馮さんは民主化や人権活動を続け、今年2月には中國の公安當局に拘束された。その後、天安門事件20周年にあたる6月4日をすぎるまで國外に滯在することを條件に釈放され、4月1日に來日した。滯在中は中國の民主化の現狀を紹介する活動などを行っていたという。
今月7日、成田空港から上海に向けて帰國の途に就いたが、上海浦東(ホトウ)國際空港で入國を拒否された。理由について、馮さんを取り囲んだ警察當局者は「上司の命令だ」と話し、関西國際空港までの全日空機の航空券を渡され、そのまま日本に行くよう指示されたという。馮さんはやむなく関空に戻った。
17日朝には成田空港から中國國際航空機で再度、帰國しようとしたところ、航空會社が搭乗を拒否。出発ゲートで一夜を過ごしたものの搭乗はできず、そのまま日本に滯在している。
馮さんの関係者によると、航空會社の職員は「上の命令で、飛行機に乗せることはできない」と説明したという。馮さんは「中國は少數の支配者と警察に支配されている。自分の國に帰れないことは信じられないことで、中國の恥だ」と訴えている。
東京入國管理局成田空港支局は「出國審査も通っており、帰國は可能だった。しかし、航空會社の対応には関與できない」としている。