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郵便事故とそば屋の出前

(2010-03-13 18:43:24) 下一個

 ある會社から請求書が送られてくる約束になっていたが、2週間餘り経ってもちっとも屆かないので電話してみた。経理の女の子が
 「えっ、xxさんに言われてその日にすぐに送りましたが、屆いていませんか?」
と言う。
 「え~?2週間くらい前ですよね?屆いてないです。おかしいですね。郵便事故でしょうか?じゃあ、お手數ですが、再発行してもう一度郵送していただけますか?」
 「はい、わかりました。もう一度送ります。」
 電話の後、仕事仲間に
 「xxから屆くはずの請求書がちっとも屆かないから電話してみたんだけど、とっくに送ったんだって。いまどき、郵便事故ってあるんだね。」
と話すと、彼は間髪いれず
 「まだ送ってないんじゃないの?」
と言った。
 「え?そうなのかな?」

 それが月曜日のこと。今週中には屆くだろうと思ったのにやっぱり屆かないので、待ちきれず金曜日の午後一番に再び電話してみた。
 「あの、請求書は再発行して送っていただいたんですよね?」
 「はい、お電話いただいた日にすぐに出しました。屆いてませんか?」
 「ええ、まだ屆かないんです。変ですね。2度も屆かないなんて。住所を間違えてるってことはないですか?」
 「以前送ったときはちゃんと屆いてますよね。合ってるはずです。」
 「そうですか。それではご麵倒をかけて申し訳ないんですけど、もう一度郵送してください。」
 「わかりました。送ります。」
 「すみません。」
 そう言って頭を下げ電話を切った半時間後に請求書が屆いた。私は大急ぎで、封を切る前に電話に飛びついた。
 「もしもし、xxと申しますが経理のxxさんいらっしゃいますか?」
 「あ、私です。屆きましたか?」
 「ええ、ええ。たった今、屆きました。お手數かけました。」

 電話を切り、封を開けて中身を取り出し確認し終え、ふと思った。あ、消印はどうなっているんだろう?ごみ箱から封筒を取り上げ、消印を確認する。あ、水曜日だ。え?月曜日に出したっていうのは噓だった?
 もしかしたら、2週間前に出したっていう話も噓?
 でも、そんなことで噓をつく意味ってあるんだろうか?たかが請求書で?「すみません、ちょっと忘れていて、今から送ります」とか、「水曜日に出したので今日あたりそちらに屆くんじゃないでしょうか」とか言えば済む話である。こちらは別に急ぐわけもなく請求書なんて支払う方にとっては屆くのが遅ければ遅いほどいいわけで、ただ、「出した」と言うものが屆かないのはおかしいので事実確認をしたかっただけなのである。遅れていることで相手を責めようなどという気は全然なかった。
 そんなことでとっさの噓をさらさらとつくという心境が私にはちっとも理解できず、いったいこれはどういうことなのかと、もやもやが広がった。胸の中に霧が立ち込める。
 しかしそう言えば、仕事仲間は初めの電話ですぐに「まだ出してないんじゃないの?」と看破した。郵便事故などと思った私が間抜けなのだろうか?

 晴れない胸の內を、夕飯の席でごちゃごちゃと家族に話すと、母が言った。
 「そば屋の出前と同じでしょ。」

 お~!そば屋かあ~

 胸の奧につまった疑問が一気に氷解した。なるほど。そうだったのか。注文したそばがまだ來ないという電話に、今出ましたを繰り返すそば屋の出前だったのか。
 霧がすっかり晴れた。


 
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