【上海=五十嵐文】中國の習近平(シージンピン)國家主席は21日午前、上海で開かれた中露など26か國?地域が加盟する「アジア相互協力信頼醸成措置會議」(CICA※)で基調演説した。
習氏は演説で、「アジアの問題はアジアの人々が処理し、アジアの安全はアジアの人々が守る」と述べ、「アジア重視」の「リバランス(再均衡)政策」を掲げる米國を念頭に、中國がアジアの新たな安保秩序を主導する姿勢を強調した。
習氏は、アジア各國が互いの主権や領土を尊重し、対等な立場で協力することを原則とする新たな安保構想「アジア安全観」を提唱した。さらに、「いかなる國家も、地域の安全問題の獨占を試みたり、ほかの國家の正當な利益を侵害したりすべきではない」「第三國に照準を合わせた軍事同盟の強化は、地域の安全維持のためにならない」とも語り、日本や韓國、フィリピンとの同盟関係を強化する米國をけん製した。