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ひとつめ。天皇陛下も定年退職すればいいのに、と思う。もうお年なのだから、忙しすぎる職務を辭して夫婦なかむつまじくのんびりと餘生を過ごしたらいいんじゃないかと、そう家族に話すと、妹が、 「でも、そしたら皇太子が天皇になるってことでしょ。天皇って神みたいなものだから、若い人には似つかわしくないような気がする。」 “神みたいなもの”…、なるほど、天皇は死ぬまで神の依り代でなければならないのか。
ふたつめ。“社會的製裁”という言葉を聞くたびに、苦々しく思う。
立法學者たちやファリサイ派の人々が、姦通の現場で捕らえられた女を連れて來て、真ん中に立たせ、イエスに言った。 「先生、この女は姦通をしているときに捕まりました。こういう女は石で打ち殺せと、モーセは立法の中で命じています。ところで、あなたはどうお考えになりますか。」 …イエスは身を起こして言われた。 「あなたたちの中で罪を犯したことのない者が、まず、この女に石を投げなさい。」
(新約聖書 ヨハネによる福音書) マスコミは犯人を追い回し、鬼の首を取ったかのように責めたてる。彼や彼女がどんな罪を犯したのか、本當にわかって追いたてているのか、それすら疑問に思うほどに。 誰が、石を投げて罪びとを打ち殺すことができるだろう。罪は法廷で裁かれるべきである。
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